「パラレルワールド・ラブストーリー」あなたなら親友と彼女のどちらを選ぶ?

この「パラレルワールド・ラブストーリー」は、次のような内容で幕を開ける。

何度も見掛ける見知らぬ女性に恋心を抱いたものの、一度も声を掛けることすらなく、そのまま会えなくなってしまった。しかし、その後、その恋焦がれた女性と対面することになる。それも、親友の彼女として。親友には初めてできた恋人であった。親友を祝福しつつも、心の中では強烈な嫉妬心を抱くことになる。だが、ある朝目覚めると、その女性は自分の彼女として一緒に暮らしている。親友の恋人であったという記憶すらなくなっていた。

SFファンタジーの要素はあるものの、男女の三角関係に関する、実に切ない物語なのである。どのように切ないかは、是非本書を読んでいただきたい。

ところで、僕にも一度だけ三角関係に陥った経験がある。あれは中学2年生の時だった。

こんな僕にでも、中学生の時に親友と呼べる人物がいた。学校だけではなく、学校が休みの時でさえ、彼と一緒にいることが多かった。とにかく、学校以外では彼以外の人間と遊んだ記憶がほとんどないくらいだ。

彼はバスケット部に所属していたが、バスケットだけでなくあらゆるスポーツに万能であった。確か、50メートル走は学年でトップだったという記憶がある。おまけに、非常にハンサム(今なら「イケメン」か)であった。だから、当然のように女の子からモテていた。

ある日、そんな彼が同じクラスの●●さんを好きなことがわかった。彼ぐらいモテるなら自分から告白すれば大丈夫だよ、と僕なんかは思うわけだが、彼はその点においては非常にシャイな男だった。そんなわけで、僕が代わりに気持ちを確かめることになった。あの頃の僕は、彼とは違ってシャイな気持ちというものが欠如していたので、女の子にも気軽に声を掛けることができたからだ。はっきりとは覚えていないが、多分「●●さんは、今好きな人いるの?」とでも聞いたような気がする。そして、思いもしなかった彼女の気持ちを僕は知ることになる。そう、彼女は僕のことが好きだと告げてきたのだ。

あの時、僕には他に好きな子がいたので、●●さんの気持ちに答える気持ちはなかった。でも、少しでも●●さんのことが好きだという気持ちがあったら、自分はどうしていたのだろうか?

親友と彼女のどちらを選んだのだろうか?

と。

彼女を失う喪失感と親友に対する罪悪感。どちらにしても辛い選択であることには違いないのである。

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