東野圭吾が描く現代の救世主!?「虹を操る少年」

昔、「アンノンマン(超人類)」という本を読んだことがある。もう20年以上も前のことなので、当然のことながら詳しい内容まで覚えていないのだが、以下のような内容だったと記憶している。

生物は、その種の存続が危機的状況にある時、それに対応するために急激な進化を遂げることがある。現在の人類は、自ら手を下してきた環境破壊により、今まさに種の存続の危機にさらされている。この種の存続の危機的状況に対応する、急激な進化を遂げた新しい人類(超人類)が生まれつつある。

と、 概略は以上のようだったと記憶している。だけど、どんな能力を持つ超人類が現れると書いてあったのかまでは、さすがに覚えていない。いや、そういうことすら書いてあったかどうかさえ記憶が定かではない。

それでも、東野圭吾氏の「虹を操る少年」を読んだときに、この昔読んだ本が真っ先に思い浮かんだ。 この小説の登場する少年の能力が、この「アンノンマン(超人類)」に出てきた進化した人類の話しとダブったからであろう。

この小説では、ある特殊な能力で若者たちにメッセージを伝えていく少年と、それを好ましく思わない大人たち(支配者層)との対立が描かれている。

この少年の能力の一つに、「人が発している光を見ることができ、その色や強さで、その人の思考を読み取る」という能力があり、それが世の中を牛耳っている支配者層にとっては、とても厄介な能力なわけである。

現実の世界でも、きっとそうだろうと管理人は思う。世の中の支配者層というのは、一般大衆に知られたくないことを山ほど隠しているのである。

好意的な見方をすれば、世の中がパニックになるのを防ぐために隠さなければならないことがあるということなのかもしれない。しかし、既得権益を侵されたくないというのが支配者層たちの本音であろう。

そして、多くの人が、それを知らぬふりをすることこそが、安全で幸せに過ごしていく唯一の方法だと、無意識に納得しているだけなのかもしれない。東野圭吾氏は納得していなくて、現代の支配者構造を打ち破る救世主のような存在を描いてみたかったのかもしれないですね。

>>>小説【虹を操る少年】のあらすじはこちらから

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