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歪笑小説

あらすじOutline

出版業界の内幕を、ブラックな笑いでお届けする12の短篇集

【伝説の男】
子供の頃からの夢が叶って、書籍出版部に配属になった青山。その部署の編集長は、ベストセラーを何百冊も世に送り出した伝説の編集者「獅子取」である。その獅子取の営業スタイルを目の当たりにして、青山は驚きつつも、自分の描いていた編集者の姿とのギャップに困惑するのだが・・・。

【夢の映像化】
灸英社の主催する新人賞を受賞したが、まったく売れない作家・熱海圭介に、突然映像化の話しが舞い込んできた。これを機にベストセラー作家になれると舞い上がる圭介だが・・・。

【序ノ口】
唐傘ザンゲというペンネームを持つ期待の新人作家・只野六郎。その只野に、灸英社主宰のゴルフコンペのお誘いがきた。人間関係を築くことも作家として大切なことと諭されて、気が進まないながらも六郎は参加することにした。会う人会う人が小説界の大御所ばかりで、疲れ果てる六郎。そんな六郎を待ち受けていたものとは・・・。

【罪な女】
熱海圭介の担当編集者が代わることになった。その新しい担当編集者は、驚くほどの美人であった。しかも、熱海圭介が書いた小説の大ファンらしい。彼女との打ち合わせが楽しくてたまらない圭介だが・・・。

【最終候補】
石橋堅一は、会社から不遇の扱いを受けていた。つまり、彼は会社のリストラ要員だった。そんな時、彼の書いた小説が灸英新人賞の最終候補に残った。これを機に会社を辞めようかと迷う石橋。そこで、灸英社の編集者に、新人賞を取った場合の出版社での扱いについて率直に聞いてみた。その話を聞いた石橋は・・・。

【小説誌】
「灸英小説」という小説を担当する部署に、中学生たちが見学に来ることになった。編集長から、中学生の案内を託される青山。その青山に、中学生の容赦ない質問が襲い掛かる。中学生には、作家に原稿料を支払ってまで赤字の小説誌をわざわざ出版していることが疑問だったからだ。そして、中学生たちに追い詰められた青山が中学生たちの放った言葉とは?

【天敵】
期待の新鋭作家・唐傘サンゲ、こと只野六郎がスランプに陥っていた。編集者の小堺は、その原因が、唐傘のマネジャーになった女性・須和元子にあると感じていた。元子は、六郎の恋人であり、唐傘ザンゲの小説の大ファンでもあった。元子が、「今までのファンを裏切るような小説を書いてはいけない」と攻めるため、今までの作風から脱却しようとする唐傘ザンゲの障壁となり、それがスランプに陥っている原因だと小堺は感じていた。小堺は、元子のことを天敵だと思い込むのだが・・・。

【文学賞創設】
灸英社で新しい文学賞・天川井太郎賞を創設することになった。この天川井太郎賞を、文学賞の最高峰の『直本賞』の前哨戦という位置付けにしようと、灸英社は目論んでいた。さらに、この賞を唐傘ザンゲに取らせたいと考えていた。そして、天川井太郎賞の候補作が揃い、その選考が始まるのだが・・・。

【ミステリ特集】
『小説灸英』で、あらゆる分野の短編ミステリを集めた『短編ミステリ特集』を掲載することになった。しかし、メインである「本格ミステリ」を執筆する予定の長良川先生が入院してしまい、急遽代役を立てなくてはならなくなった。そこで、灸英社の編集者青山は、その代役を熱海圭介に依頼することにしたのだが、すぐに不安に陥ることになる。

【引退発表】
売れた作品はないけれど、経歴だけはやたら長い大御所の作家。寒川心五郎は、まさにそんな作家であった。そんな寒川から、灸英社の編集長・神田は突然呼び出された。そこで神田は、寒川が引退することを聞かされたが、寒川の引退に関する要望を聞いて呆然とする。

【戦略】
灸英社の編集者・小堺は、熱海圭介の新作を受け取ったが、相変わらずの駄作に困惑していた。一から書き直して貰うしかないという結論を下すが、熱海圭介の作品を読んだ編集長の獅子取が、このままでも売り込み方次第で売れるようになるかもしれないと言い放った。獅子取の熱海圭介を売り出すための戦略とは?

【職業、小説家】
娘の元子が、結婚を前提に付き合っている男性を紹介したいと言ってきた。しかし、その男性の職業は、名前も聞いたことが無いような小説家だった。娘の幸せを願う父の須和光男は、小説家という職業に言いようのない不安を覚える。

当サイトの管理人より

もし、あなたが小説家を目指しているのであれば、この「歪笑小説」はとても興味深く読めるはず。出版社と小説家の関係性がよく分かるので。結局、小説というのは、単に「小説家が書いたもの」というだけではなく、「小説家と出版社の共同作業で出来上がるもの」ということなのだ。当たり前のことだが、再認識した。

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