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流星の絆

あらすじOutline

功一・泰輔・静奈の三兄妹の両親が何者かに殺害された。それは、三兄弟が流星を見るために両親に内緒で真夜中に家を抜け出した間に起きた出来事であった。

この日両親は銀行から大金を下ろしており、そのことから、その事実を知りえる顔見知りの犯行だという推測がなされた。また、次男の泰輔が、偶然にも現場を立ち去る犯人らしき人物の顔を目撃していたことから、その人物の似顔絵をもとに捜査は進められた。しかし、両親の周辺を捜査しても、それらしき人物が一向に見つからなかった。そして、やがて事件は迷宮入りしていく。三兄弟は、犯人を見つけだし、自分たちの手で仇討ちすることを誓うのであった。

両親を一度に亡くした三兄弟に世間は厳しかった。妹の静奈が詐欺に逢ったのをきっかけに、自分たちが生き抜いていく手段として選んだのが、他人から金を騙し取るという詐欺行為だった。功一の情報収集能力、泰輔の変装能力、静奈の美貌を武器に彼らの詐欺行為は次々と成功していく。

しかし功一は、そろそろ潮時だと思っていた。将来のことを考えると、いつまでも世間を欺くことを続けていくわけにはいかないと考えていた。そこで、最後に大物から大金をせしめて、この裏家業から足を洗おうと計画したのである。その最後のターゲットに選ばれたのが、急成長している洋食屋「とがみ亭」の御曹司・戸神行成だった。

行成に近づくことに成功した静奈は、「意見を聞かせて欲しい」という行成の言葉で「とがみ亭」に招かれた。そして、静奈を影からサポートしていた泰輔は、そこに現れた行成の父・戸神政行の顔を見て愕然とする。政行の顔が、あの事件の現場にいた犯人の顔にそっくりだったからである。さらに、静奈が別の日に招かれた試食会のハヤシライスの味は、父の洋食屋で出していたハヤシライスと同じ味だった。

戸神政行が犯人である確信を深めた三兄妹は、完璧な復讐計画を企てる。だが、「行成は自分たちの両親を殺害した憎むべき男の息子、しかし、憎むべきは父親であって、行成自身が悪いわけではない」このように考えてしまう静奈は、行成をだまし続けることに心苦しさを感じるようになっていく。そして、そのような想いを抱かせるのは、行成に対する静奈の恋心のせいでもあった。それでも、そんな恋心を押し殺して、静奈は与えられた自分の役目を完璧にこなすために戸神邸に罠を仕掛けた。だが、致命的なミスを犯し、仕掛けた罠を行成に見破られてしまう。

そこで功一は、自分たちが戸神政行が殺人犯であることを暴く計画を立てていたことを行成に正直に打ち明けることにする。そして、自分の父が殺人犯かもしれないと知った行成は、真相を突き止めるために三兄妹に協力するを約束する。しかしその結果、誰もが思いもしなかったとんでもない真相が明らかになったのだった。

当サイトの管理人より

「流星の絆」と言えば、三兄妹の絆と考えがちだが、決して三兄妹だけの絆ではなかったことが、物語の終盤で分かることになる。管理人には、このプラスワンの絆が非常に爽やかで、しかも、感動的であった。

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