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疾風ロンド

あらすじOutline

泰鵬大学の医科学研究所の研究員・葛原は、拡散すれば人々を大量死に陥れる威力を持つ生物兵器「K-55」を開発していた。それは、葛原が独断で開発したものだった。医科学研究所は、この危険な生物兵器を勝手に開発した葛原を解雇し、「K-55」を最高機密レベルの実験室に保管した。

しかし、医科学研究所の対応に不満を爆発させた葛原が、この「K-55]を盗み出し、ある場所に隠した。葛原は、スキー場らしき場所で撮られたテディベアの写真を医科学研究所の所長・東郷に送り付け、「この発信器を取り付けたテディベアの下に「K-55」を埋めてある。このテディベアを見つけることができる方向探知受信器が欲しければ、3億円を用意しろ。」と脅迫してきた。

しかし、あろうことか、その葛原が高速道路での事故で亡くなってしまう。

葛原が亡くなったことで方向探知受信器は手に入れることができたが、逆に、その写真の場所がどこであるのかを聞けなくなってしまった。おまけに、テディベアに取り付けられた発信器のバッテリーは1週間しか持たず、それまでに見つけ出さなければ回収不能となる。生物兵器「K-55」を納めたガラスケースは、10度以上になると破損する仕掛けが施してあり、そうなれば多くの犠牲者が出ることは確実である。

そこで、所長の東郷は、主任研究員の栗林に「K-55」が隠された場所を突き止めることを命じた。栗林は、スノボー好きの息子の協力を得て、なんとかそれらしいスキー場を探し当てる。そして、息子を案内役にそのスキー場へと向かった。しかし、何十年もスキーがご無沙汰だった栗林には、広大なスキー場でテディベアを見つけることは至難の技だった。そして、無理をした栗林は、とうとうケガを負ってしまい、自分では探すことができなくなってしまう。

自分で探す術をなくした栗林は、スキー場のパトロール隊員の根津に事情を話して、代わりに探してもらうことにした。しかし、探しているものが生物兵器であることは隠し、人の命を助けるためのワクチンだと説明していた。パトロール隊員の根津は、大会のためにこのスキー場に来ていたスノボー選手の千晶の協力を得て、写真に撮っているテディベアが吊られた場所を懸命に探した。しかし、それらしき場所をいくら探しても、発信機が反応することはなく、テディベアを見つけることはできなかった。

しかし、発信機は予想もしなかった場所で突然反応した。それは、写真の場所とはかけ離れた場所であった。実は、吊ってあったテディベアを中学生が持ち去り、そのテディベアをスキー場に親子で訪れていた少女にプレゼントしていたのだ。しかし、テディベアを持ち去った者が分かったことで、やっと「K-55」が埋めてある場所が分かり、根津たちはその場所に向かった。しかし、生物兵器「K-55」を探していた者は他にもいたのだ。根津たちとその者との争奪戦が、スキー場で繰り広げられ、事件は意外な方向へと進んでいった。

当サイトの管理人より

この「疾風ロンド」は、緊迫した状況の中に“笑い”の要素が入っており、実に楽しめる作品に仕上がっている。エリートに属する人たちが繰り広げるドラマだが、各人のやり取りや行動が実にコミカルで、突っ込みどころが満載である。

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