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殺人現場は雲の上

あらすじOutline

新日本航空の花のスチュワーデス、通称・エー子(早瀬英子)とビー子(藤真美子)。同期入社でルームメイトという誰もが知る凸凹仲良しコンビが遭遇する7つの事件簿。

【ステイの夜は殺人の夜】
エー子とビー子は、鹿児島にフライトした時にいつも行く『ワイキキ』というスナックで、パイロットたちと飲んでいた。そこに現れた一人の男性。彼は、機内で突然腹痛を訴え、エー子とビー子がお世話したお客様・本間だった。本間は、エー子たちと同じホテルに宿泊しており、たまたまこのスナックに飲みに来たのだ。本間とエー子たちは、夜中の1時ごろまで一緒にスナックで飲み、一緒にホテルに戻った。しかし、そこで彼らが目にしたものは、本間の妻の他殺体であった。本間も容疑者の一人に上げられたが、殺害時間にはエー子たちと一緒に飲んでいたという完璧なアリバイがあった。

【忘れ物に御注意ください】
某旅行社が考え出したベビー・ツアー。それは、赤ん坊がいる夫婦でも気軽に旅行に行けるという企画だった。このツアーに二十五組の夫婦が参加し、エー子とビー子が搭乗する飛行機を利用することになった。しかし、彼らが降りた後の機内にはとんでもない忘れ物が・・・それは、何と赤ん坊であった。すぐにツアー客を追いかけ、ゲートのところで捕まえたが、二十五組のすべての夫婦が赤ん坊を抱いていた。では、機内で見つかった赤ん坊は、いったい誰が置き忘れたのか?あるちょっとした勘違いが、このとんでもない事態を巻き起こす原因となったのだ。

【お見合いシートのシンデレラ】
スチュワーデスが離着陸の時に座るアテンダント・シートは、お客様と向き合うように配置されており、このことから「お見合いシート」と呼ばれていた。あるフライトで、ビー子の向かいに好みの男性が座った。この男性から声を掛けられ、ビー子は男性とデートすることになる。そして、はじめてのデートでいきなりプロポーズされる。この男性は資産二十億円以上の資産家だった。ビー子にとって申し分の無い結婚相手なのだが・・・。

【旅は道連れミステリアス】
エー子とビー子が乗務する東京行きの便に、和菓子屋「冨屋」の旦那・富田敬三が搭乗していた。「富屋」は、エー子とビー子がフライトで福岡に行ったときによく通う店で、富田とは顔見知りであった。しかし、その富田が、東京のSホテルの浴室で死体で発見される。しかも、旦那の死体の横には女性の死体もあった。その女性のテレビに映し出された顔写真を見て、ビー子はびっくりする。なぜなら、その女性にSホテルを紹介したのはビー子だったからだ。

【とても大事な落し物】
東京発青森直のYS11機に乗務していたエー子が、機内の化粧室でとんでもない落し物を見つけた。それは、誰かが書いた「遺書」だった。この「遺書」の落とし主は間違いなくこの機内の中にいる。その落とし主を見つけて、自殺を思い止まらせなければならないとエー子は考えた。乗客は27名いたが、化粧室を利用した6名の中にその落とし主はいるはずだ。そして、それらしき人物を特定したのだが・・・。

【マボロシの乗客】
羽田空港内にある客室乗務員室に脅迫電話が入った。その内容は、「俺は、昨日人を殺した。金を出さなければ、新日本航空の客を次々と殺害する」というものだった。犯人の言葉を裏付けるかのように、空港内の駐車場で血の付いた女物のバックが見つかった。そして、そのバックの中には、新日本航空の搭乗券も入っていた。しかし、その搭乗券に該当する飛行機に乗っていた乗客の中には、このバックの持ち主がどうしても見つからなかった。だが、しばらくすると、同じ機内でそのバックの持ち主の女性を見かけたという男が現れるのだが・・・。

【狙われたエー子】

盛岡のホテルで起きた殺人事件。その容疑者が、エー子のかつての恋人・塚原だった。そして、エー子が、何者かに車ではねられそうになる事件が起きる。エー子を襲ったのは、塚原という可能性があった。それは、エー子の証言によっては、塚原のアリバイが崩れるからであった。そして、塚原から「じかに会って話しがしたい」という電話がエー子に掛かってきた。単身塚原に会いに行くエー子だったが・・・。

当サイトの管理人より

東野圭吾氏の姉がスチュワーデスであったことから、スチュワーデスを主人公にしたこの小説が生まれたらしい。CA(キャビンアテンダント)を「スチュワーデス」と読んでいた頃の物語である。ビー子という存在が、この小説を実にユーモア溢れるものに仕上げている。

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