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あらすじOutline
安生拓馬、丹羽潤也、日浦有介、佐倉翔子。かつて世界的に活躍したスポーツ選手だった彼らには、決して知られてはならない秘密があった。それは、彼らのかつての栄光がドーピングによるものだということだった。彼らはその秘密を隠し通し、過去の栄光の遺産で、それぞれが平穏な日々を過ごしていた。
しかし、彼らの平穏な日々を脅かす出来事が起きた。それは、かつて彼らと同じようにドーピングによりスポーツ界で活躍した小笠原の自殺であった。小笠原の自殺は、ドーピングによる後遺症だった。安生、丹羽、日浦、佐倉の四人は、この事件がきっかけで過去が暴かれることを恐れ、唯一彼らの過去を知る仙道之則が持つデーターを消去するために、彼の屋敷に忍び込んだ。しかし、仙道に見つかり彼を殺してしまうことになる。彼らは、屋敷を火を放つことで、仙道の死体と彼が持つデーターを始末することにした。
しかし、その様子を目撃している女がいた。彼女は仙道が手塩を掛けて育て上げたスポーツ界のモンスターであった。彼女は、警官を殺害し、その銃を奪い、仙道の復讐をするため安生、丹羽、日浦、佐倉を追った。腕力に自信のある安生拓馬は、このモンスターを返り討ちにすることを他の三人に提案する。
そして、モンスターは、最初に安生拓馬の前に現れた・・・
当サイトの管理人より
毒グモ(タランチュラ)と称されたこのモンスター。何の躊躇もなく人間を殺害していく様が実に恐ろしく描かれている。しかし、本当に恐ろしいのはこのモンスターではなかったことが最後のほうで明らかになっていく。むしろ、このモンスターのほうが純粋であった、と感じた読者は決して少なくはないのではなかろうか。とても、スピード感と緊張感にあふれた小説で、あっという間に読み終わってしまった。
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