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怪笑小説

あらすじOutline

ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!多彩な味つけの傑作短篇集。

【鬱積電車】
見知らぬ人間同士が同じ空間に居合わせる場所。電車の車内もそういう空間であった。その空間にいる人たちは、他人に対していろいろな悪態を心の中ではつぶやいているものだ。

そんな車内で大変なことが起きてしまう・・・。

【おっかけバアさん】
亡くなった夫が残してくれた貯金と生命保険が唯一の心の支えである勝田シゲ子にとっては、「なるべくお金を使わない」ことが生活を守る手段であった。

ある日、シゲ子は知人から、役者・杉平健太郎特別公演チケットを貰う。暇つぶし程度にその特別公演に出掛けたシゲ子であったが・・・。

【一徹おやじ】
父には果たせなかった夢があった。それは、野球選手になることだった。父は、その夢を息子に託そうと考えていた。しかし、最初の子供は女の子、つまり私であった。そして、しばらくの間子供ができなかった。その結果、父は私に無理やり野球をやらせた。父の夢の犠牲となった私。しかし、その苦痛の日々も終わりを告げるときがきた。待望の息子、私にとっては弟が生まれたのだ。弟は、父の期待通りに野球にのめり込んでいくのだが、その意外な理由が明らかになる。

【逆転同窓会】
巣春高校には、教師だけが集まる同窓会があった。巣春高校には、優秀な生徒が集まった黄金時代があり、その黄金時代に教鞭をとった先生たちが集まった同窓会だった。その六回目の同窓会の時、今度はその頃の生徒も呼んでみようという話になった。そして、先生たちと生徒たちの同窓会がはじまるのだが、次第に主催者側の先生の居場所がなかっていくことに・・・。

【超たぬき理論】
小学校に入る前、母に連れられて和歌山の田舎に遊びに行った若山一平は、タヌキが空を飛ぶのを見た。それを見た一平は、タヌキの中には超能力を持つタヌキがいて、その超能力を持つタヌキが人を化かしているのだと考えた。さらにUFOは、タヌキが化けた『文福茶釜』だと結論づけ、この研究に生涯をかけることになる。そして、「UFOはタヌキ」説で有名になった若山一平は、「UFOは宇宙人の乗り物」説を唱える大矢真とTV番組で対決することに・・・。

【無人島大相撲中継】
豪華客船が転覆し、非難した人々はある無人島に流れ着いた。助けが来るまで無人島で何もすることがない人たちの唯一の救いが、徳俵庄ノ介の話であった。徳俵庄ノ介は、過去の大相撲の取り組みをまるでラジオの実況中継を聞いているかのごとくしゃべるのだった。やがて、どちらの相撲取りが勝つのかを予想する賭け事にまで発展するのだが・・・。

【しかばね台分譲住宅】
都心からかなり離れたしろかね台分譲住宅。ある朝、この住宅地で殺人死体が見つかった。この事件のことが世間に公表されると、しろかね台の住宅の価値が下がると考えた住人たちは、この死体を近隣の『黒が丘タウン』に捨てに行くことにした。黒が丘タウンは、鉄道計画のおかげで値上がりしつつあるという噂があり、しろかね台に住む人々は、前々からそのことを恨めしく思っていたのだ。そして、死体の移動を実行するのだが・・・。

【あるジーサンに線香を】
この世に身内がいないあるジーサン。そのジーサンにある医者が若返りの実験を申し出た。とまどいつつも、その申し出を受けたジーサン。そして、若返りのための手術が行われ、その結果ジーサンはどんどんと若返っていった。やがて、20歳台にまで若返ったジーサンは、かねてから気にかけていた本屋に勤める若い女性に会いにいくのだが・・・。

【動物家族】
中学生になった肇には、いつの頃からなのか、気付いた時には周りの人間がすべて動物に見えるようになってしまった。父はタヌキに、母はスピッツに、大学生の兄はハイエナに、高校生の姉は猫に、そして祖母はキツネに見えている。何の動物に見えるかは、その人の人間性で決まっているようだ。もちろん、自分が鏡に写った姿も動物であった。臆病で地味で何の取り柄もない自分は、爬虫類か両生類なのかも分からない見たこともない生き物に見えた。そして、家族を含めた周りの人間は、そんな肇をぞんざいに扱った。鬱積がたまっいく肇の姿が、やがて変化していくことに・・・。

当サイトの管理人より

人間の醜い部分を描いている小説であり、笑えるのだが、人間の罪深さに少し物悲しい気持ちにもなる作品であった。

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