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毒笑小説

あらすじOutline

名作『怪笑小説』に引き続いて、ブラックなお笑いを極めた、会心の12の短篇集。

【誘拐天国】
福富財閥の福富豊作は、その財力でやりたいことは何でもやってきた。ただ、ひとつだけ心残りがある。それは、孫が塾やお稽古などで忙しくて、ゆっくりと遊んだことがないということだ。

そのことを同じ隠居の身で麻雀仲間の爺さんたちに打ち明けたところ、その中の一人・宝船が“妙案”を思いつく。

それは、孫を“偽装誘拐”することだった・・・。

【エンジェル】
南太平洋で浮かぶ小島で不思議な生物が発見された。それは、伝説の天使にそっくりであったことから“エンジェル”と名付けられた。この“エンジェル”には、従来の動植物にはない異質な習性があった。しかし、この異質な習性が脅威となることを、人間は気付いていなかった・・・。

【手作りマダム】
ニュータウンで念願の一戸建てを手に入れて、浮き浮きとした毎日を過ごしていた安西静子。しかし今では、毎月に1回、憂うつな日がある。それは、富岡夫人に招待されるティーパーティだった。憂うつになる最大の原因は、富岡夫人の手作りの品々にあった。しかし、富岡夫人は安西静子の夫の会社の重役夫人なので、その不満を口に出来ない。他にも招待されている奥さんたちがいるのだが、彼女たちも同じだ。しかし、その彼女らの不満が、富岡夫人に知られることになる。

【マニュアル警察】
妻を殺してしまった只野一郎は、警察に自首することにした。警察のロビーにあるカウンターに自首しに来たことを告げると、「まずは、事件の通報手続きをとってください」と言い返された。つまり、事件の通報手続きを先に済ませないと、自首の手続きはできないということらしい。そして、事件通報の窓口では、的外れな質問を浴びせかけられることに。さて、只野一郎は無事に自首できるのだろうか?

【ホームアローンじいさん】
自分以外の家族の者が食事に出掛けることを喜ぶおじいちゃん。おじいちゃんの狙いは、孫が隠し持っているAVビデオをこっそり見ることであった。その時、その家に泥棒が入った。しかし、その泥棒は思いもかけない理由で警察に捕まることになる。さて、その理由とは?

【花婿人形】
御茶之小路家の跡継ぎとして育てられた茂秋。父を早くに亡くした茂秋の教育係は、母の要子であった。その結果、茂秋は、母に教わったこと以外は何もできない人間になってしまっていた。そんな茂秋が結婚することになる。その結婚式で、茂秋は母に聞かなければならないことがあった。しかし、母に聞くチャンスがまったくない。その結果、茂秋はとんでもないことになる。

【女流作家】
売れっ子の女流作家・宮岸玲子が連載小説の休載を申し出てきた。出版社も売れっ子作家の申し出を断ることが出来なかった。やがて無事に出産を終えた宮岸玲子は、以前よりも締め切りをきっちり守って原稿を渡してくれるようになった。編集者にとっては喜ばしいことだが、腑に落ちないことがあった。それは、宮岸玲子が出産後に一度も姿を見せなくなったことだ。しかし、こっそり宮岸家の窓から覗くと、宮岸玲子が部屋の中にいることは間違いない。では、なぜ姿を見せようとしないのか?やがて、編集者はとんでもない事実を知ることになる。

【殺意取扱説明書】
私には殺したいほど憎んでいる相手がいた。それは、かつては親友と思っていた矢口育美だ。理由は、私の恋人を奪ったからだ。当然私は彼女を責めた。しかし、彼女は「あなたに彼を独占する権利はないでしょ。奥さんじゃないんだから」と開き直るだけであった。そんな私が、神田の古本屋に何気なく入って、一冊の本を購入してしまう。それは、『殺意取扱説明書』というタイトルだった。その本を読み出した私は・・・。

【つぐない】
藤井美穂は、子供相手にピアノを教える先生だった。美穂は、ある家庭の紹介で栗林家を訪れた。この家の娘がピアノの習いたがっていると聞いたからだ。しかし訪ねてみると、ピアノを習いたがっているのは、娘ではなくその父親であった。この父親がピアノを習いたがっているのには、信じがたい理由があった。その理由とは?

【栄光の証言】
正木孝三は人間嫌いではなかったが、話題を見つけるのが苦手だった。そんな彼に話しかけてくる者などは誰もいなかった。誰からも注目されない存在。孝三はそんな男であった。そんな孝三が、真夜中に酔っ払って帰宅する途中、路地で喧嘩している男性二人を見かけた。関わり合いになるのを避けた孝三はそのまま見過ごすことにしたが、翌日になって大変なことが分かる。昨夜喧嘩していた男性の一人が殺害されているのが発見されたのだ。唯一の目撃者である孝三は、今までに経験したことがないほど人から注目される存在になるのだが・・・。

【本格推理関連グッズ鑑定ショー】
余命短い山田鉄吉は、息子の史郎にあるものを託した。それは、長さ約一メートル、太さ数センチの木の棒が2本であった。史郎にはただの棒にしか見えなかったが、鉄吉は「関心がある者にとっては、大変価値があるもの」だと言う。その理由を鉄吉から聞いた史郎は、その驚きの理由に納得する。そして史郎は、鉄吉がなくなった後に、その棒を鑑定番組で鑑定してもらうことにする。その結果、驚くべき鑑定額が・・・。

【誘拐電話網】
俺のところに「お子さんを誘拐した」という変な電話が掛かってきた。なぜ変かというと、俺には妻子がいないからだ。しかし、電話を掛けてきた相手は更に変なことを言い出す。つまり、「あなたが知らない人の子供を誘拐したが、その身代金をあなたに払ってほしい。」というのだ。当然俺ははらう気など露ほどもないが、「あなたに関係のない子供かもしれないが、あなたが身代金を払わないためにその子供が殺されてしまっては、あなたも目覚めが悪いだろう」と相手は責めたててくる。困った俺が考えたのは・・・。

当サイトの管理人より

この『毒笑小説』という短編集の中で、管理人には『つぐない』という内容の短編が心に残った。この作品だけは、“ブラックな笑い”というイメージではなかったからだ。

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