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あらすじOutline
天才科学者と称される帝都大理工学部物理学科助教授・湯川学が、友人でもある警視庁捜査一課の草薙俊平に協力して、常識を超えたオカルトチックな事件に挑戦する連作ミステリー。
【第1章:燃える】
深夜のバス停にたむろし、大騒ぎをして近隣の住民に迷惑を掛ける若者たち。その内の一人の頭が突然に燃え上がる。その直前、一人の少女が空中に浮かんでいる赤い糸を見たという。人体発火の恐るべきトリックとは?
【第2章:転写る】
中学校の文化祭の飾られていたリアルなデスマスク。それは、釣りをしていた中学生が、池で拾った金属製のマスクに石膏を流し込んで作ったものだった。しかし、そのデスマスクを見て「兄さんよ、間違いない・・・」と、顔を青ざめる女性。デスマスクに隠された真相とは?
【第3章:壊死る】
浴槽で見つかった男性の死体。彼には心臓病があったため、入浴中の心臓麻痺による病死と考えられた。しかし、死体の胸には奇妙な痣があり、その痣は、細胞が瞬間的に破壊され壊死したために出来たものと思われる。解剖医は、こんな症例は聞いたことがないというが?
【第4章:爆ぜる】
海水浴場を襲った突然の爆発。ビーチマットで沖に浮かんでいた女性が犠牲となった。テロや殺人などの犯罪が予測されたが、不思議なことに爆発物の痕跡がまったく見つからなかった。唯一の手掛かりは、犠牲となった女性に爆発直前に近づいた一人の男がいたことだった。
【第5章:離脱る】
マンションの一室で見つかった女性の殺害死体。元お見合い相手の男性が容疑者となった。彼は、犯行時刻には、別の場所で車を止めて休憩していたと主張するが、目撃者がなかなか現われなかった。やっと、その時刻に彼が乗る車を見たという少年が現れたが、その証言は信憑性に欠けるものであった。なぜなら、物理的には絶対に見えない位置にも関わらず、「幽体離脱をして目撃した」というからである。
当サイトの管理人より
今では、福山雅治演じるガリレオ・湯川学がすっかり世間的にも浸透してしまったようだが、東野圭吾がこの「探偵ガリレオ」を描いた時にイメージしたモデルは、他の俳優であったらしい。その俳優とは、「ずっとあたなが好きだった」の冬彦役で強烈な印象を残した佐野史郎である。ただ、そんな作者の意図にも関わらず、この「探偵ガリレオ」を読んで浮かんでくるガリレオのイメージは、やっぱり佐野史郎より福山雅治なのである。その大きな原因は、この作品で出てくるガリレオ・湯川学は、今でも結構スポーツマンであることがうかがえるような場面があり、それがどうしても佐野史郎とは結びつかないからであろう。佐野史郎さんとしては少し悔しい思いをしているかもしれないが、配役に福山雅治を選んだテレビ局側に軍配を上げるべきであろう。