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あらすじOutline
理系出身の作家である東野圭吾が、いろいろな問題を独自の科学的視点で語るエッセイ集
【擬似コミュニケーションの罠】
インターネットの普及で擬似コミュニケーションが蔓延する昨今、リアルコミュニケーションの重要性を語る。
【科学技術はミステリを変えたか】
科学技術の発達によって変わっていくミステリ小説の現状について語る。
【ツールの変遷と創作スタイル】
東野圭吾氏がワープロ等で執筆したときになぜ「かな入力」にしたのかの理由、出力様式に試行錯誤した様子などを語っている。
【嫌な予感】
ミステリ作家にとって無関心では済まされない科学捜査。その科学捜査の一つである身元特定の技術の変遷について語る。小説「プラチナデータ」を思い出す内容である。
【数学は何のため?】
現在に数学の地位を嘆き、その重要性を熱く語る。直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」の石神を思い出さずにはおれない内容である。
【教えよ、そして選ばせよ】
わが国の原子力政策に関しての苦言。この想いが、「天空の蜂」という小説を書かせたのであろうという内容である。
【ハイテクの壁はハイテクで破られる】
出版業界の万引き対策について語る。ハイテクよりもローテクを推奨する東野圭吾氏の考えは斬新である。
【著作物をつぶすのは誰か】
出版物の貸与権などについて語る。こういった権利が認められないと、やがて新刊本が無くなってしまうという最悪の事態を東野圭吾氏は危惧する。
【何が彼等を太らせるのか】
昨今のダイエットブームに苦言を呈する。ダイエット食品を扱っている某ケーカーのサイトにある「あなたの肥満度を調べます」というコーナーでの体験談などを語る。
【ヒトをどこまで支援するか?】
技術の進化による弊害を、自動車の例にして語る。支援装置の進化は便利な反面、人間の能力の退化につながることを指摘する。
【滅びるものは滅びるままに】
クローン技術について語る。絶滅種をクローンで蘇らせることよりも、絶滅種が生息していた頃の環境を蘇らせることのほうが大事だと語っている。しかし、それが最早不可能なことも東野圭吾氏は理解している。なので、タイトルにある「滅びるものは滅びるままに」という結論に達するのである。「夢幻花」という小説で東野圭吾氏は、黄色い朝顔を題材にして、この考えを世に問うている。
【調べて使って忘れておしまい】
電子辞書について語る。これも大変便利な機器であるとしつつも、これによる学習能力への影響を懸念している。
【誰が彼らの声を伝えるのか】
理系人間と文系人間との間にある壁について語る。今や文系の世界に身をおいている東野圭吾氏は、理系の世界を伝えることも自分の義務であるという考えのもと、小説を書いておられるようである。
【理系はメリットか】
理系は小説家にとってメリットか?について語る。理系人間が少ない小説家という世界では、特徴があってよいという考えもあるが、東野圭吾氏にとってはデメリットの方が多かったというエピソードを語っている。
【少子化対策】
少子化対策として、高齢出産と定年年齢の延長を推奨し、そのための社会整備が必要であることを語っている。
【北京五輪を予想してみよう】
北京大会での金メダルを、東野圭吾独自の科学的見地で予想する。さて、その結果は?
【堀内はヘボなのか?】
2004年プロ野球セリーグの結果を科学的見地で分析。そして、その結論が示す堀内の監督としての実力は・・・?
【ひとつの提案】
プロ野球の再編案を語る。プロ野球が盛り上がるためにはどうすればいいか?真剣に考え、その案を搾り出す!
【大災害!真っ先に動くのは・・・】
大災害が起きたとき真っ先に動くの誰なのか・・・それは○○○だった?この悲しい現実を語る。最後の東野圭吾氏の体験による感想にはうなずくしかなかった。
【誰が悪く、誰に対する義務か】
地球温暖化が続いた場合、起こるべき現象とその現象による被害などの予想を語る。
【もう嘆くのはやめようか】
外来種による日本固有の生態系がどのように崩れていっているのか、その現実を語る。
【ネットから外れているのは誰か】
技術者の過信とそれを使う企業側の姿勢が犯罪者の温床になっているケースなどを語る。また、警察がそういった犯罪の後追いしか出来ない現状を嘆いている。
【今さらですが・・・】
血液型性格判断には何ら科学的根拠がないのも関わらず、定期的にブームが起きるのか?その理由を考察する。
【二つのマニュアル】
表向きのマニュアルと裏のマニュアル。二つのマニュアルが存在する理由について考察する。
【四十二年前の記憶】
東野圭吾氏が幼い頃に見た「蓄音機に犬が耳を傾けるというビクターのマークの由来となった映像」について語る。
【どうなっていくんだろう?】
技術の継承について語る。そこには科学の限界があるのではないかということにも言及している。
【本は誰が作っているのか】
図書館で借りて読んだり、ブックオフで古本だけを読むような人ばかりが増えてしまうと、将来的には読む本そのものがなくなってしまうかもしれないという現実について語る。
当サイトの管理人より
エッセイの中には、東野圭吾氏の小説のテーマとしてなっているものも少なくなく。「あの小説は、こんな考えが下地になっていたのか」などと思い浮かべながら読んでいくと更に楽しく読める。