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虚ろな十字架

あらすじOutline

フリーライタの浜岡小夜子が、自宅マンション裏の路上で刺殺された。事情聴取に来た刑事からその事実を聞かされ、元夫の中原道正は愕然とする。なぜなら、彼ら夫婦の娘・愛美も強盗によって殺害されたという過去があったからだ。一緒に生活していると楽しかった親子3人での生活が思い出され、それが余計に悲しみと苦しみを増幅するというのが、道正と小夜子が離婚することになった最大の理由であった。

浜岡小夜子を殺害した犯人はすぐに判明した。犯人が自首したからだ。町村作造という67歳の無職の男だった。生活に貧窮し、金目当てで及んだ無差別の犯行だと町村作造は自供した。事実、浜岡小夜子と町村作造との過去の接点は、警察が捜査しても何も見つからなかった。

加害者の町村作造には娘がいた。娘の名前は花恵。慶明大学の小児科に勤める仁科史也の妻になっていた。しかし史也の母・仁科妙子は、この結婚を快く思っていなかった。それは、夫婦の間には翔という息子がいたが、その顔が史也と花恵のどちらとも似ていないことから、史也との間にできた子供ではないのではないかという疑いを持っていたからだ。加えて、今回の花恵の父・町村作造が犯した殺人事件。仁科妙子は、花恵と別れることを息子に迫っていた。しかし史也は、義父が犯行に及んだのには自分にも責任があると言い、花恵と離婚するどころか、義父の罪を一緒に背負う覚悟だと断言するのであった。

一方、中原道正は、離婚後の小夜子の足跡を辿ってみようと決意する。小夜子は、離婚後フリーライターになっていた。そして、ある取材の過程で、仁科史也が勤める大学病院の行った形跡があることを知った。それは、町村作造に殺害される三日前のことだった。まったく接点がないと思われていた浜岡小夜子と町村作造であったが、義理の息子・仁科史也に会った形跡があることから、単なる無差別の犯行ではない可能性が生じてきた。調べていくうちに、この事件の背景には悲しく恐ろしい事実が隠されていることを知ることとなる。

当サイトの管理人より

この小説は死刑制度に触れているが、死刑制度を容認する言葉として小説で書かれた次の言葉が頭に残る。「人を殺せば死刑-そのようにさだめる最大のメリットは、その犯人にはもう誰も殺せないということだ」この言葉の是非をあなたはどう判断されますか?

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