東野圭吾原作「さまよう刃」のドラマ版が2021年放映決定
東野圭吾氏の小説「さまよう刃」のドラマ版がWOWOWで放送されることが決定した。
この「さまよう刃」は既に2009年に映画化されており、韓国ではリメークの映画が放映されるなど、海外でも話題となった作品だ。
この作品が、今度はドラマ版として蘇るわけだ。放送は毎週土曜日の夜10時からで、全6話という構成だ。
原作「さまよう刃」とは(ネタバレ含む)
この作品は、少年法に対する物議に一石を投じた、非常に悲しく切ない父親の姿を描いた作品だ。
被害者の父親が、少年法に守られ厳罰に処することができない犯人に復讐するという物語だが、復讐することへの父親と周囲の人たちの葛藤が克明に描かれており、読者に対して少年法のあり方を問うような物語となっている。
主人公である長峰重樹は、高校生になる娘の絵摩と二人暮らしであった。
妻は娘が10歳のときに亡くなったが、絵摩はその悲しみを乗り越え、たまに親子喧嘩はするものの、一人親で自分を育ててくれた父を想いやる優しく明るい娘に育っていた。
そんな最愛の娘の絵摩が、友人と花火大会の帰りに殺害されるという事件が起こる。
悲しみに暮れる長峰のもとに、絵摩を殺害した犯人の名前と居場所を告げる密告電話が入る。
その犯人の家に忍び込んだ長峰は、そこで、娘の絵摩が二人の男から強姦され、やがて死に至る様子を撮影したおぞましいビデオテープを発見する。
そのビデオテープを観ているところに犯人の一人であるアツヤが帰宅し、怒りに我を失った長峰は彼を殺害する。そして、殺害する前に聞き出したもう一人の犯人カイジを追うことに。
警察は、アツヤを殺害した犯人は長峰と判断し、彼を行方を追った。
復讐のためにカイジを追う長峰と、その長峰を殺人の容疑者として追う警察とマスコミ、こういう構図で「さまよう刃」という物語は展開していく。
カイジを追って長野県へやってきた長峰は、宿泊先として選んだペンションで、そのペンションを父と一緒に切り盛りする木島和佳子という女性と出会う。
和佳子は警察から追われている長峰だと気付くが、ペンションに聞き込みに来た警察にはそのことを明かさず、長峰の手助けをすることを決意する。
それは、娘を死に追いやった犯人に復讐したいという長峰の心情を理解したからだ。なぜなら、和佳子にも愛する息子を失ったという過去があり、娘を愛するが故の犯人に対する怒りだと感じたからだ。
ただ、和佳子は長峰のこれ以上の犯行は望んでいなかった。長峰の逃亡を手助けする間に、これ以上の犯行をあきらめ、自ら警察署に出頭してくれるように長峰を説得するつもりでいた。
やがて、長峰は再度の密告電話により、カイジを追い詰めていくことになるが・・・
ドラマ版「さまよう刃」の主要キャスト
2009年映画化の際の主人公の長峰には寺尾聰がキャスティングされていたが、今回のドラマ化では竹野内豊がキャスティングされた。
実は、竹野内豊は映画化の際にもキャスティングされていたが、その時の役柄は、長峰を追う若い刑事だった。追う立場から追われる立場でのキャスティングとなった竹野内豊さんは、次のようにコメントしている。
12年前に映画化された『さまよう刃』では、長峰を追う織部刑事を務めさせていただいたのですが、今回、ドラマ版「さまよう刃」では、その長峰さんを演じて頂きたいというお話でしたので、誰かの親になったこともない自分に、娘を失う父親役がどこまで務まるのか、正直戸惑いました。去年、真夏の猛暑の中、限られた時間、ロケ地など、、、なかなか思うようにことが進まない条件で、片山監督に全てを委ねて、スタッフ・キャストが一丸となって、試行錯誤しながら丁寧に作り上げた作品です。一人でも多くの方々に届きますように!
WOWOWより引用
もう一人のキーパーソンである木島和佳子には石田ゆり子がキャスティングされた。竹野内豊とは15年ぶりの競演になるそうだ。長峰の復讐したいという心情を理解しながらも、何とかこれ以上の犯行を思い止まってもらいたい、という複雑な心情を抱える女性を演じることになった石田ゆり子さんは、次のようにコメントしている。
竹野内さんと久しぶりに共演できることが楽しみでなりませんでした。考えてみれば15年ぶりだそうで、時の流れの速さに自分でもびっくりです。映画版では織部巡査の役だった竹野内さんが今回は主役の長峰さんを演じると知ったときは、そう来たか!と興奮冷めやらぬ気持ちでした。
WOWOWより引用
撮影は片山監督の率いる素晴らしいスタッフのもとで丁寧に丁寧に進みました。
倒れそうなほどの暑さの中走ったり泣いたり叫んだり、芝居をしてるというより役を生きるということの意味を考えさせられました。片山監督の的確でダイナミックで細やかな演出は、役者としてそこにいられることが幸せだなと思えるものでした。
竹野内さんも日に日に長峰さんそのもののようになっていき、役に入ってる時は話しかけるのも憚られるほどでした。素晴らしい作品になっていることは間違い無いと思います。どうぞ楽しみにしていてください。
キャストは、まだ2人しか明かされていないが、2人以外のキャスティングは明かされ次第、追記していこうと思う。
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